心の病気を解決

医師たち

変化の激しい複雑な現代社会の中で受ける様々なストレスにうまく対応できないため、心の病気になる人が増えてきています。心の病気は多種多様であるうえに、体の病気や症状のようにだれの目にもはっきりとわかるものではありません。気分が沈み、何事も悲観的に考える抑鬱状態に陥り、日常生活や社会生活に適応できなくなった状態を一般的に鬱病といいます。鬱の症状として、次のようなものがあげられます。まず感情面では、悲哀感が強くなり、ため息をついたり涙を浮かべたりしますし、何事にも暗い面や悪い結果だけを考えるようになります。さらに疲労感がつのり、無気力になり、自分は価値のない人間だと思うようになります。また思考面でも自分の考えがまとまらず、記憶や判断力が低下し、計算もうまくできなくなります。自分の将来や仕事にも自信がなくなり、劣等感を抱き悪い方向に物事を考えることもしばしばあります。不眠はほとんどの患者に起こりますが、悪い夢を見る、眠りが浅いという症状を訴えることもあります。他にも食欲不振、体重減少、胃腸障害なども多くみられます。

鬱病の症状は、一見心身症や神経症と似ていることがありますが、鬱病では生きる気力がなくなり、そのため、症状の変わり目や、不安や不眠が強くなった時などに、しばしば自殺を試みるという特徴があります。鬱状態の時には、生きていたくない、死んで楽になりたいという感情を抱いていることが多く、気持ちの変化によって本当に自殺してしまうことがありますが、第三者には全く原因がわからず、その行動も理解できません。それだけに、家族や周囲の人たちが、それほど深刻な病気と気づかずに見過ごしてしまいがちなのです。周囲は落ち込んでいる本人を何とか立ち直らせようと、励ましたり叱責したりしますが、励ましや叱責はかえって本人の気持ちを追い詰めることとなります。鬱病、あるいは鬱状態にある人への対応は十分気を付けなければなりません。なるべく早期に専門医への通院を勧め、医師の指導に従うことが最も重要です。鬱病は抗鬱剤などの服用と、医師の指導によって治る病気です。しかし、状況の変化などによって再発の可能性があるため、経過を十分に観察していく必要があります。